■年金制度の改定について
2021.05.07
カテゴリ:労働・社会保険
■年金制度の改定について
こんにちは。
社会保険労務士 沖本事務所です。
年金制度の改定が相次ぎます。
以下、その内容となります。
- 2022年4月改正
- 65歳未満の在職老齢年金
在職老齢年金とは、年金の受給を開始しても在職中で給与支給を受けている場合、給与と年金が一定額を超えると年金が調整されて減額される仕組みです。
この調整開始額が、65歳以上は47万円ですが、60歳以上65歳未満は28万円だったところ、65歳以上と同じ47万円になりました。
60歳の定年後に年金が減額されるので、あまり働きたくありませんという要望も出たりと、60歳以降の就労意欲をなくすこともあり得た制度でしたが、これが改正されることになります。
- 65歳以上で在職中の場合の在職定時改定
65歳以上の方が引き続き在職中で、厚生年金保険料を支払っている場合、従来は会社を退職(=厚生年金の資格を喪失)するか、70歳になってから65歳以降に収めた年金保険料が反映され、年金が増額されていました。
これが65歳以降、厚生年金に加入していると毎年12月支払い分の年金から納付保険料分が反映され、増額されることになります。
この制度ですと、在職老齢年金の調整額は47万円のままなので、年金貰いたいから働く時間を減らしたいという人が出るような気もします。
- 年金受給開始時期の選択肢の拡大
老齢厚生年金は、原則として、65歳から受け取ることができます。
現在はこれを希望すれば受給開始時期を60歳~70歳の間で選ぶことができましたが、改正後は60歳から75歳までの間自由に受給開始時期を選ぶことが出来るようになります。
なお、繰下げで75歳から受給する場合に1月あたり+0.7%(最大84%)増額することができることになります。