■未払い賃金請求時の付加金について
■未払い賃金請求時の付加金について
社会保険労務士 沖本事務所 代表の沖本です。
私は大学時代に労働基準法を専攻し、その後も企業の人事部門において労働法関連実務に携わった後、社会保険労務士として開業しましたので、労働法については比較的専門性のある社会保険労務士として、顧問先の人事労務管理のご相談に乗らせていただいております。
さて、未払い賃金の請求の際、未払い賃金の遅延損害金に加え、付加金も請求されることがあります。
付加金とは未払い賃金がある場合に、労基法第114条において同一額の付加金の支払を命ずることができるという規定に基づくもので、
- 解雇予告手当(同法第20条)
- 休業手当(同法第26条)
- 割増賃金(同法第37条)
- 有給休暇(同法第39条)
について、違反のあった日から2年以内に請求する必要があります。
この付加金ですが、判決前に使用者が未払い賃金の全額を支払った場合は、付加金の支払を命じることができないとされています(最高裁平成26年3月6日)。
これでは制裁の意味がないという意見もありますが、制裁金のプレッシャーから事業主が支払いに応じる=早期解決という観点では意味があるのではないかと、個人的には思います。