■安全配慮義務について
■安全配慮義務について
こんにちは。
社会保険労務士 沖本事務所です。
お客さまとお話しをしていると「安全配慮義務」という言葉が出てきましたので、今回はそれについてのお話しです。
安全配慮義務とは労働契約法第5条に規定されているものです。
【労働契約法第5条】
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」
つまり、会社は、従業員を採用し、雇用契約を締結した瞬間から、仕事中に発生する危険から従業員を守る義務が生じていることになります。
もし仕事中に事故が発生した場合、会社は従業員から安全配慮義務違反による損害賠償を請求される可能性があります。
近年は長時間に及ぶ過重労働によって生じた健康障害(肉体的なものだけでなく精神的な疾患も含みます)についても、安全配慮義務違反を問われる可能性がありますので、注意を要します。
ただし、事故が発生すれば何でもかんでも安全配慮義務違反を問われるわけではなく、
損害賠償が認められるためには、
- 損害の発生
- 安全配慮義務違反行為(結果発生の予見可能性・回避可能性があり、結果回避義務があるにもかかわらず、これを尽くさなかったこと)
- 損害と安全配慮義務違反行為との間に因果関係のあること
が必要です。
ところで、仕事中に事故が発生すると、先ず思い浮かぶのが労働基準法または労災保険による補償です。
これらの制度により従業員に対して補償がなされた場合は、その金額分について会社側は損害賠償の責任を免れることになります。
多額の損害賠償金を支払う可能性を踏まえ、民間の損害保険にも加入することも有効な対応策と言えますね。