■雇用保険被保険者資格取得の手続が漏れていた場合
■雇用保険被保険者資格取得の手続が漏れていた場合
こんにちは。
社会保険労務士 沖本事務所です。
先日、雇用保険の資格取得手続でスポット契約をしていただいたお客様の従業員の方とお話しさせていただく機会がありました。
その従業員の方のお話しですと、以前勤めていた会社では故意に雇用保険に加入していなかったそうです。
雇用保険被保険者資格取得届は、適用除外となる場合を除き、入社月の翌月10日までに行わなければなりません。
もし資格取得手続が漏れていた場合は、次の手続きが必要となります。
雇用保険の遡及加入手続
所轄の公共職業安定所にて遡及加入の手続を行います。
6か月以上遡る場合は、理由書(様式は任意)の提出を求められます。
場合によっては、賃金台帳、労働者名簿、入社日が確認できるタイムカード等の提出を求められますので、所轄の公共職業安定所に確認を取ってください。
なお、雇用保険の遡及加入は原則2年までとなっています。
ただし平成22年10月より、従業員の給与から雇用保険料の控除をしていたことが確認できる場合で、被保険者資格取得の手続きが取られていることを本人が知らなかった場合は、雇用保険料の控除が判明できる時点まで遡ることができるようになっています。(こういう意味でも給与明細を捨ててはいけませんね。)
労働保険料の修正申告
労働保険の年度(昨年4月~今年3月)を超えて遡る場合は、労働保険料の修正申告が必要となります。
手続きに際しては、以下の2つの書類の添付が必要とされます。
- 修正前に提出した労働保険料申告書・賃金集計表のコピー
- 修正後の労働保険料申告書・賃金集計表
遡及加入を行いますと記録に残り、行政側の心象を損ないますので、このようなことがないようお願いいたします。
なお、社会保険労務士が修正申告を代行する場合は、事業主の委任状が必要となりますので、念のため。