■会社のミスで給与を多く支払われていた
■会社のミスで給与を多く支払われていた
こんにちは。
社会保険労務士 沖本事務所です。
会社のミスで給与が多く支払われていた場合、返金する必要はあるのでしょうか。
会社のミスであって、自分のせいではないのだから返す必要はないのでは、とも思ってしまいますよね。
結論としては、会社のミスであっても過払い分は返金する義務があります。
根拠は民法703条の不当利得です。
【民法第703条(不当利得の返還義務】
法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。
過払い支給分は法的には不当利得となり、返還義務が発生するということです。
余談ですが、「不当利得」という言葉は法律らしいと感じています。
給与計算を間違って支給された労働者に非はないのですが、結果的に過払いになっている金額は法的根拠のないお金だということで「不当」な利得にされてしまいます。
法律は当事者の感情ではなく、事実に基づいて判断される典型的なケースだなと思うのです。